使用する検査機器


建築

機器の名称 騒音計
機器の使用目的 騒音の測定
機器の概要
測定器は、JIS C 1509-1-2017「電気音響-サウンドレベルメータ(騒音計)」に規定されている騒音計を使用する。
※JISでは、性能によってクラス1及びクラス2の二つを規定する。一般に、クラス1及びクラス2のサウンドレベルメータは、通常同じ設計目標値をもち受容限度値が異なるほか、動作温度範囲が異なる。
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精密騒音計の例
使用方法の概要 音環境に関する品確法告示の評価指標は、実際の建物における生活実感と対応する遮音性能とは異なっている。ただし、不具合として指摘された音の状況を、実際の建物において耳で聞く際に、音圧レベルを確認するために騒音計が使用される。なお、室内での騒音の測定方法に規格、規準は無いので、以下の方法を参考として行う。
  • JIS Z 8731:2019「環境騒音の表示・測定方法」
  • 日本建築学会推奨測定規準「建築物の現場における室内騒音の測定方法」
    対象音の発生状況によって次のように測定する。
対象音が常時発生している場合は、不具合の大きい場所に騒音計を設置し、数十秒間のレベル変動を収録し、等価騒音レベルを求める。留意点は、収録中に対象音以外の音が聞こえた場合、測定を中断し、その音が聞こえなくなった時点で測定を再開する。
対象音が時々発生する場合は、不具合の大きい場所に騒音計を設置し、対象音が発生している数十秒間のレベル変動を収録し、等価騒音レベルを求める。対象音の発生時間が数十秒間に満たない場合は、発生のサイクルを確認し、発生している時間内に測定する。留意点は①と同様である。また、等価騒音レベルは、時間平均値なので、対象音の無い時間まで測定してしまうと、値が小さく表示されてしまう。
対象音の発生時間が不特定の場合は、騒音計だけでは測定できないので、音響測定の専門家に依頼する必要がある。
測定条件:原則として家具、什器などが置かれた室の通常の使用状態で行う。

対象室における騒音計の設置状況
関連する不具合事象 「音に関する不具合(室内音環境の居住者に及ぼす影響)」
備考 室内騒音の評価方法
屋外の騒音に関しては、騒音規制法などにおいて、敷地境界線における騒音レベルが、『区域の区分』、『時間の区分』によって規定されている。室内騒音に対しては、現時点では法的な基準値が無い。ただし、建物計画時・設計時の目標値として、日本建築学会提案の『建築物の遮音性能基準と設計指針』に室内騒音の規定があり、それによると室内騒音(外部からの透過音及び自室内機器・共用設備騒音)に対しては、騒音レベル35dBが(1級「優れている」)、40dBが(2級「標準」)、45dBが(3級「やや劣る」)のように示されている。
なお、上階からの歩行音(床衝撃音レベルに関する遮音等級)や界壁からの透過音(室間音圧レベル差に関する遮音等級)については、別の評価指標が規定されている。