外壁とは、外気に接する壁の壁枠組より構成される垂直構面と仕上材を総称していう。 壁枠組とは、屋根や床の固定荷重(自重)および積載荷重を小屋組や床組を通して鉛直荷重として基礎・地盤に伝えると共に、風や地震等の水平力に抵抗する役割を持つ構造部分をいう。 枠組壁工法は、水平力を耐力壁(面材を張ったフレーム)に負担させ、フレーム内の面材の抵抗で建物全体の変形を防止している。従って、耐力壁の量(壁量)が少なければ揺れが大きくなり、建物の変形量が大きくなる。また、耐力壁の配置バランスが悪いと平面的ねじれが生じ、耐力壁の変形・破壊につながる恐れがあるので、①十分な壁量、②バランスの良い耐力壁の配置が求められる。 また、外壁は屋内と屋外を仕切るもので、構造安定性や防耐火性能が要求されるほか、防水性、耐候性、断熱性、遮音性等が要求される。 劣化については、1階土台回りでは地面に近く湿気が多いため、シロアリや腐朽菌等に侵食されにくい納まりや材料を使用しなくてはならない。 外壁の不具合事象が、基礎の沈下等さらに重大な不具合事象を伴うものかを、初期の段階で判別することが重要である。 |
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■枠組壁工法の外壁の構成(引用1)■枠組壁工法の枠組の構成(引用1) |
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壁の仕上げ部分は、防火、防音、断熱等に有利で、壁面がたて枠面を隠して仕上がる「大壁造り」が一般的である。「大壁造り」としては、湿式工法(現場で水を使う施工法)と乾式工法がある。 湿式工法として「モルタル塗仕上げ」、乾式工法として「金属系、窯業系サイディング張り仕上げ」、「板張り仕上げ」等が代表的である。(参考1(一部加筆)) また、断熱工法としては、たて枠の間に断熱材を充填する「充填断熱工法」と下張材の外側に断熱層を設ける「外張断熱工法」が一般的である。(参考2,参考3)
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