外壁とは、建築物の外部に面している壁をいい、骨組(※)により構成される垂直構面と外部仕上材を総称していう。 骨組とは、屋根や床の固定荷重(自重)及び積載荷重を小屋組、床組を通して鉛直荷重として基礎・地盤に伝える構造部分をいう。風や地震等の水平荷重に対しては床が水平構面として抵抗し、骨組を通して基礎・地盤に伝える役割をもつ。 外壁は、屋内と屋外を仕切るもので、構造安定性や防耐火性能が要求されるほか、防水性、耐候性、断熱性、遮音性等が要求される。 外壁は、基礎や地盤等建物を支える根幹の部分に近接しており、外壁の不具合事象が基礎の沈下等さらに重大な不具合事象を伴うものかを、初期の段階で判別することが重要である。そのため、居室・部位を中心に、住宅の構造体全般の状況を調査することが必要である。
外壁の概念図(chord作成) <骨組の種類>1.鉄骨造の構造形式外壁を構成する主要な部分である骨組は、次の(1)から(3)までの3種類の構造形式に大別され、建物はこの3種類の形式の組合せにより構成されている。建物に作用する水平荷重(地震力、風圧力等)との関係に照らした各構造の特徴について、以下に整理する。 |
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2.鉄鋼系プレハブ工法の構造形式(参考1)
<外壁仕上工法の分類>鉄骨造の外壁仕上工法は、湿式工法と乾式工法に大別される。鉄骨造は鉄筋コンクリート造に比較して柔らかい構造であるため、地震等による架構の水平変形にも十分対応できるような配慮が設計に求められる。 湿式工法は、変位へ追従できるよう、施工を行う必要がある。 乾式工法は、工場生産された材料等を現場で組み立てる工法で、ALCパネル(※)、PC版、窯業系・金属系サイディング等が代表的なものである。 乾式工法の場合にも、変位への追従性に十分配慮した材、工法の選択や施工が要求される。鉄鋼系プレハブ工法において構造パネル面が外壁を兼ねる形式の場合は、外壁面(構造パネル面)のひび割れ等が構造パネル単位全体の取替えにつながるので特に注意が必要とされる。 |
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<外壁仕上材の種類>一般的な外壁仕上材として以下のものがあげられる。(外壁仕上工法の材料等との適合性により限られるものがある。)
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