１．大便器周りからの漏水

２．発生原因

（１）

不適切な仕様書等
大便器を取り付ける際に、設計段階で以下の事項に不適切な点がある場合には、漏水につながることがある。

①

器具の選択

②

大便器と給水・排水管の不適切な納まり

（２）

不適切な施工
大便器の施工段階を含めて、以下の事項に不適切な点がある場合には、漏水につながることがある。

①

大便器取付けの状況

②

大便器・ロータンク組み立ての状況

③

ガスケットの状況

④

器具、給水・排水管の納まり状況

⑤

大便器の固定状況（曲がり・傾き等）

（３）

不適切な使用・メンテナンス
居住者の使用・メンテナンスに、以下のような不適切な点がある場合には、漏水につながることがある。

①

手洗い付ロータンクの水跳ね

②

手洗い付ロータンク手洗鉢への飾り物設置

③

温水式洗浄便座の使用方法

④

ロータンク内に異物を挿入

（４）

間違いやすい類似の不具合

• 結露水や便器外にこぼれた小水が床にしみて、漏水と間違えることがあるので注意する。

• 漏水は、取り付け状態、取り扱い状況が原因で発生するため、水を流し漏水箇所等を入念に調査する。

１．大便器周りからの発生部位の確認

（１）調査方法

• 設計図書（設計図、仕様書、機器表、施工図等）を用いて、適切に施工されているかを確認する。
• 大便器・ロータンク・温水洗浄便座の取り付け状態を目視・触診にて確認する。
• 水を流して漏水箇所を確認する。
• 大便器にガタツキがないか確認する。
• 大便器の化粧キャップを外し、床固定状態を確認する。
• ロータンク内にペットボトル等の異物を入れていないかを確認する。

（２）注意事項等

• 結露水や小水と間違えることがあるので注意する。

• 大便器の取付け不良
• 大便器排水口と排水管接続部の差込又はガスケット取付け不良
• 大便器・ロータンクの組み立て接続部の不良
• 大便器と排水配管の心ずれ
• ロータンク及び温水洗浄便座への給水管接続不良

• 懐中電灯

• 設計段階において、大便器と給水・排水管の計画等が適切に行われているかを確認する。

１．設計内容等の確認

（１）調査方法

• 設計図書（設計図、仕様書等）を対象として、平面計画上において便所と配管スペースの納まりに付いて、設計等が適切であるかを確認する。

①

器具の選択

• 防露形の大便器・ロータンクが選定されているか。

②

大便器と給水・排水管の納まり

• 大便器と給水・排水管が不適切で無理な納まりになっていないか。

（２）注意事項等

• 製造業者の仕様書を確認

• 調査時に確認を行った主な項目について適切な対策が行われていない場合は、漏水が発生する可能性が高い。

• 特になし

• 大便器周りの施工が適切に行われているかを確認する。
• 施工において設備工事以外の他工事の影響を受けていないかを確認する。

１．書類による確認

①

大便器取付けの状況

②

大便器・ロータンク組み立ての状況

③

ガスケットの状況

④

器具、給水・排水管の納まり状況

⑤

大便器の固定状況（曲がり・傾き等）

（１）調査方法

• 施工記録（施工図、工事状況報告書、工事写真等）により、把握できる範囲において器具取付けと給水・排水配管の納まりにかかわる工事が設計どおりに行われているかを確認する。また、二重床と排水配管の納まり状況を確認する。

（２）注意事項等

• 特に、大便器排水が床下排水の場合、製造業者の施工要領書を確認する。
• 大便器固定部分に床補強が入っているかを確認する。

２．目視等による施工状況の確認

（１）調査方法

• 書類により確認した内容と実際の施工状況が一致しているか、不適切な施工が行われていないかを、目視・触診等により確認する。
• 不適切な箇所が発見された場合には、写真等で記録をとる。記録した結果を、設計図書等と照らし合わせて確認する。
• また、製造業者の施工要領書どおり施工されているかを確認する。

①

大便器取付けの状況

• 大便器取付部の心ずれ、ガタツキの有無を確認する。
• 大便器固定ビス等が確実に締め付けてあるかを確認する。
• 床に補強材があるかを確認する。

②

大便器とロータンク組み立ての状況

• 曲がり、がたつきを確認する。
• セットの仕方が正しいかを確認する。

③

大便器と給水・排水配管の施工状況

• 大便器排水口が床上の場合、排水管との接続部及びロータンク等給水配管接続部を確認する。
• 大便器排水口と排水管の心が合わず、無理な納まりをしていないかを確認する。

④

ガスケットの施工状況

• 大便器排水口が床下の場合はガスケット部からの水の滲み、床上の場合はガスケットの接続状態を確認する。

（２）注意事項等

• 製造業者の仕様書を用い取付け状態を確認

• 調査時に確認を行った主な項目について、施工が設計どおり行われていない場合、または不適切な施工が行われている場合は、施工不良等が原因で、大便器の排水接続部から漏水が発生する可能性がある。

  ①

  大便器取付けの施工状況

  ②

  大便器とロータンク組み立ての施工状況

  ③

  大便器と給水・排水配管の施工状況

  ④

  ガスケットの施工状況

• 大便器周りからの漏水は、使用方法に起因する水跳ねを、漏水と勘違いする場合があるため、不適切な使用がなかったかを確認する。

１．使用状況等の確認

（１）調査方法

• 事前確認等を参考にして、普段の大便器と手洗い付ロータンクの使用状況を確認する。

  ①

  手洗い付ロータンクの水跳ね

  ②

  手洗い付ロータンク手洗鉢への飾り物設置

  ③

  温水式洗浄便座の使用方法

  ④

  ロータンク内に異物を挿入

（２）注意事項等

• 適切な使用方法を説明する。

• 次のいずれかの事項に該当する場合について、居住者の不適切な使用がある場合は、使用・メンテナンスの不良が原因で漏水につながっている可能性がある。

  ①

  手洗い付ロータンクの水跳ね

  • 手洗い時に周りに水が飛び散り漏水と間違える場合がある。
  • 水圧が高く水量が出過ぎて、周りに水が飛び散り、漏水と間違える場合がある。

  ②

  手洗い付ロータンク手洗鉢への飾り物設置

  • ロータンク手洗鉢に飾り物を置くと排水穴をふさぎ水があふれ、排水設備からの漏水と間違える場合がある。

  ③

  温水式洗浄便座の使用方法

  • 便座に座る位置と温水洗浄ノズルの位置が合わないで、周りに水が漏れ、漏水と間違える場合がある。

  ④

  ロータンク内に異物を挿入

  • ロータンクの内部に節水目的で、ペットボトル等を入れていると、ロータンクの作動部に支障を来たし、水がタンクからあふれる場合がある。

  ⑤

  便器外にこぼれた小水

  • 便器外に小水がこぼれ、排水設備からの漏水と間違える場合がある。

• 特になし