補修方法編

降雨による漏水 パラペットの水切り設置、防水層立上り部の再施工
(改質アスファルトシート防水)
W-1-318
RC造
工事概要

金属製笠木による水切り設置又は立上りコンクリートのあご下端に水切り目地を入れ、防水立上り端部に押え金物とシーリング材を施工する。


補修前のパラペット断面例
(引用:参考文献1一部加筆)
対応する不具合と原因 不具合
  • 降雨による漏水(W-1)
原因
  • 関連部位の防水処理不良
  • パラペットのあご下端の水切り不良
  • 防水層端部の納まり不良
適用条件
  • あごの出寸法が100mm以上ある場合は、コンクリートをはつり、水切り目地をつくる。
  • 100㎜以下の場合は、パラペット天端に金属製笠木をかぶせる。
  • あご下端へ水切り金物を設ける場合、当該部分はRC造W-1-314に準じる。
工事手順の例
1.事前調査
当事者からのヒアリングや現場での原因調査により、適用条件を満たしていることを確認する。
2.水切り目地の設置又は金属製笠木の取付け
グラインドカッター等で20mm程度の幅の切込みを入れ、20mm×15mm程度の溝はつりを行ない、樹脂モルタル等で15mm×10mm角程度に水切り目地を形成する。(※1)
金属製笠木の場合は、笠木の下りをあごの下端より10mm以上出すこと。
3.防水端部のシーリング材の施工
防水端部の押え金物等を再調整し、シーリング材を打ち直す。
  • 端部のシーリング材は、隅部で途切れる部分まで打ち替えることが望ましい。
補修後の金属笠木
(chord作成)
補修後のコンクリート笠木
(chord作成)

パラペット断面例
4.最終確認
降雨時に浸水のないことを確認する。
備考
  • 工事に伴う騒音(ドリル使用時)、臭気、振動、粉塵、降雨時における漏水等が問題になる可能性があるため、工事の実施にあたっては、居住者に工事内容を十分に説明し、合意を得ることが重要である。
(※1)当該部分の鉄筋の切断やかぶり厚さ不足について配慮する必要がある。

参考文献

書名[該当箇所](監修) 編著者 発行所
1 水にまつわるトラブルの事例・解決策<建築編>〔p48〕 「建築漏水」編集委員会 (株)学芸出版社