補修方法編

設備からの漏水 給水配管ルートの変更 W-2-006
木軸・木枠・RC造・S造
工事概要
  • 便器本体が人の荷重によって沈み込まないように床を支持する。
  • 給水配管を排水配管の上に配管するなど、管相互の接触しないルートを検討のうえ、配管を再施工する。

不具合例(chord作成)
対応する不具合と原因 不具合
  • 設備からの漏水(W-2)
原因
  • 配管ルート・勾配の不良(排水管)
  • 配管等の接続および支持・固定方法の不良
適用条件
  • 床転がし給水配管の上で排水配管が交差、接触し、給水配管を圧迫変形させて、ひび割れが生じ、漏水したため給水配管を交換する場合に適用可能な工法である。
工事手順の例
1.事前調査
当事者からのヒアリングや現場の原因調査により、現場の諸条件を確認する。
交差・接触しないような配管ルートを設定する。
  • 配管ルート設定に当たっては、給水配管ルートを迂回させ排水配管との重なりがないよう計画する。やむを得ず排水配管と交差させる場合は、給水配管を排水配管の上部に配管する。
2.周辺内装仕上材等の撤去
工事範囲の床あるいは内壁等の仕上材及びボードなどの下地材を撤去する。
必要であれば、便器や周辺機器設備も一旦取り外す。
3.接触している給・排水管の撤去
ルート変更する配管部分を、最寄りの継ぎ手から外す。継ぎ手からはずせない場合は管を切断してはずす。
排水管に問題のない場合は、給水管の交換だけでよい。
4.床の補強
便器等の重量でたわんだりしないよう、床の下地を補強する。
5.新規配管施工(排水管、給水管位置の入れ替え)
ルート変更した配管を、排水管、給水管の順に新設する。
  • 排水管の勾配を確保する。
  • 給水管と排水管が接触しないようにする。また、必要以上に曲がり部をつくらないようにする。


給水管のルートを変更する場合の例(chord作成)
6.水圧・通水・排水試験
水圧・通水、排水試験を行い、水漏れのないことを確認する。
7.内装仕上材等の復旧
撤去した内装仕上材等を複旧する。
  • 仕上げ施工時に、釘等で管を打ち抜かないよう注意する。
  • 点検口が必要な箇所にない場合は設ける。
8.片付け・清掃
備考

【留意事項】

  • 給水配管ルートを変更すると、ロータンクの給水管接続部が現状と反対側になる場合があるので、給水配管を迂回させるか、ボールタップを組み替える必要が生じる場合がある。

【改修に必要な機材】

養生資材(シート・ウエスなど)
配管替え用配管資材(管・継手類)、支持・固定具類および防露材(必要な場合)
配管施工用工具類
内装・床・壁工事用工具類及び復旧用資材

【改修に必要な専門技術者】

給排水衛生配管施工専門技術者
水道工事業者
内装工事専門業者

参考文献

書名[該当箇所](監修) 編著者 発行所
1 水にまつわるトラブルの事例・解決策<設備編>[p17] 「設備漏水」編集委員会 (株)学芸出版社