降雨による漏水
シーリング再充填工法
W-1-704
RC造
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1.事前調査 |
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- ①
- 現場調査により適用条件を満たしていることを確認する。
- ②
- シーリングの状況を確認し、補修の必要な範囲を確認し、工事計画を立てる。
- ③
- プライマー、シーリング材、バックアップ材及びボンドブレーカー等の選定を行う。
※選定にあたってはJASS8防水工事、公共建築工事標準仕様書を参考にする。
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2.足場の設置 |
- ①
- 足場を設置し、工事中に発生する粉塵等が隣地に飛ばないよう、その外回りに防塵シートを張る。
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3.シーリング材の撤去(※1)
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- ①
- 既存のシーリング材をカッター等を用いて可能な限り撤去する。
※やむを得ず既存シーリング材が残存する場合には、既存のシーリング材と新規のシーリング材の打継ぎ接着性の確認及び現場試験施工を行い、切取り検査によりその接着状態を確認する。
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4.被着面の調整 |
- ①
- 被着面にシーリング材の接着を阻害するおそれのある水分・じんあい・油分・粘着材・さび等が付着している場合には、これを乾燥・除去・清掃する。
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5.シーリング材の充填準備(参考:1(2))
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- ①
- バックアップ材を装填する。装填に際し、ねじれ・段差・継ぎ目・キズなどがないよう注意する。
※装填後に降雨があったときは、取り外して接着面を乾燥後、再装填する。
- ②
- マスキングテープは、所定の位置に通りよく、プライマー塗布前に張り付ける。
※当日のシーリング工事の範囲だけ張り付ける。
- ③
- プライマーは必要量だけ小分けし、目地の内部がよく塗れるようなハケを使用して、塗り残しのないよう均一かつ丁寧にその日の施工範囲のみ塗布する。
- ④
- プライマーの乾燥時間をとった後、指触による乾燥の確認を行う。
※塗布後長時間経過したり、降雨のあったときは溶剤清掃を行い、再塗布する。
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6.シーリング材の充填 (参考:1(3))
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- ①
- シーリング材を準備する。
- ②
- 気泡が混入しないよう注意してガンにシーリング材を詰め込む。
- ③
- 充填前にプライマーの乾燥を確認し、目地幅にあったノズルを装着したガンで、目地底から隙間・打ち残しがなく、空気が入らないように加圧しながらシーリング材を充填する。
※目地への充填は原則として交差部から始める。打止め位置は交差部やコーナー部を避け、そぎ継ぎとなるよう斜めにする。
- ④
- シーリング材の可使時間内に、目地に合ったへらを使用してシーリング材が目地のすみずみまで行き渡るよう押さえながら、へらで仕上げる。
※マスキングテープを用いる際の仕上げは、テープの食い込みのないよう、また仕上げ面がテープ際から離れないよう注意して行う。打止め部はそぎ継ぎができるよう斜めに仕上げておく。
- ⑤
- へら仕上げ直後にマスキングテープを除去する。
- ⑥
- マスキングテープの張りあとを清掃する。また充填箇所以外に付着したシーリング材を、硬化前に被着体の表面を侵さない溶剤等を使用して清掃する。
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7.検査確認 |
- ①
- 目視によりシーリング材の仕上がり位置、著しい表面の凹凸及び気泡がないことを確認し、指触によりシーリング材の硬化・接着を確認する。
- ②
- 著しい不具合が生じた場合には直ちに補修する。
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8.最終確認 |
- ①
- 防塵シートを取外し、足場を撤去のうえ、片付け・清掃を行う。
- ②
- 降雨時に浸水がないことを確認する。
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(※1)ALC厚型パネルを用いた外壁のシーリング目地に適用する補修方法は、拡幅シーリング材再充填工法(下図参照)とする。 ALCパネルにおけるシーリング目地の補修工事では、既存シーリングを完全に除去することが重要であるが、既存シーリング材を完全に除去することは難しいことから、目地幅を拡幅しシーリング材を充填する工法が用いられる。(参考:4(1))

拡幅シーリング材再充填工法の手順(ロッキング構法の例)(引用:4(1))
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- 既存の目地寸法や形状が不十分であり、目地幅の拡大が可能な場合には、拡幅シーリング再充填工法を用いることもある。(参考:1(4)、2(1)、3(1))
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№ |
書名[該当箇所](監修) |
編著者 |
発行所 |
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1 |
シーリング防水の補修・改修技術[(1)p36~37・44、(2)p106、(3)p107~p108、(4)p103](建設大臣官房技術調査室) |
外装仕上げおよび防水の補修・改修技術出版企画編集委員会 (財)日本建築センター (財)建築保全センター |
(財)日本建築センター (財)建築保全センター |
2 |
建築改修工事監理指針 令和4年版(上巻)[(1)p289(表3.7.2)](国土交通省大臣官房官庁営繕部) |
(一財)建築保全センター |
(一財)建築保全センター |
3 |
建築保全標準・同解説 JAMS4-RC 補修・改修設計規準-鉄筋コンクリート造建築物[(1)p108~109] |
(一社)日本建築学会 |
(一社)日本建築学会 |
4 |
ALC外壁補修工法指針・同解説(第2版)[(1)p48~49] |
日本建築仕上学会 ALC外壁補修工法研究委員会
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日本建築仕上学会 |