補修方法編

天井室内空気汚染 天井仕上材の張替え C-2-001
木軸・木枠・RC造・S造
工事概要

天井仕上材(ボード・壁紙等)を撤去し、新しく天井を張り替える。


木造天井下地の例(引用:参考文献1)
対応する不具合と原因 不具合
  • 天井のたわみ(C-1)
  • 内装仕上材の汚損(I-1)
  • 内装仕上材のひび割れ、はがれ等(I-2)
  • 天井からのホルムアルデヒドの発生による室内空気の汚染(SK-1)
原因
  • 仕上材の選択不良、断面寸法等の不足、品質不良、保管・管理の不良、割付けの不良、留付けの不良
  • 接着剤・留付け材の選択・品質不良
適用条件
  • 天井野縁材、吊木材ともにねじれ、くるいがなく、壁の取り合い(回り縁等)が水平である場合に適用可能である。
工事手順の例
1.事前調査
現場調査により適用条件を満たしていることを確認する。
補強・交換の必要の範囲を確認し、工事計画を立てる。(*1)
2.床・壁の養生、足場の設置
足場の設置等により、床や壁を傷つけないよう、シート、ベニヤ等で保護、養生を行う。
脚立、足場板等により、高さ約1.0m程度の足場を設置する。
3.仕上材の撤去
照明器具をはずし、仕上材(壁紙、ボード)を撤去する。
  • 室内空気の汚染の補修を目的にする場合は、残存した接着剤を完全に確実に除去する。
4.野縁等を施工
回り縁と回り縁との間に水糸を張り、これを基準にして吊木、野縁、野縁受けを取り付ける。天井の中央に1/200程度のむくりをつける場合もある。 (参考:参考文献2)
5.仕上材等の施工
ボードを張り、必要に応じて下地調整(目地パテ処理)の上、壁紙を張る。
  • 使用する接着剤は、ホルムアルデヒドの発散のないもの、又は極めて少ないもの(F☆☆☆☆)を使用する。
照明器具を復旧する。
6.最終確認
工事全体の仕上がりを確認する。
足場、養生等を撤去のうえ、片付け、清掃を行う。
備考
(*1)「ホルムアルデヒドの発生による室内の汚染」の補修において、取り替える材料が当該住宅に用いられた状態で一定期間以上経過している場合は、当該材料中におけるホルムアルデヒドの揮発の進行により濃度低減効果が少ないことがある。なお、平14国交告第1113号、第1114号及び第1115号では建築物に用いられた状態で5年以上経過している建築材料は対象外とされている。

施工上の注意点
  • エアコン、吊戸棚等が予め設置されている場合は、別途撤去、再設置工事が発生する。
  • 壁紙、接着剤等は施工中・施工後に有害物質の発散のできるだけ少ないものを使用するように配慮する。
  • 室内空気の汚染の補修を目的とする場合、施工時期や使用されている材料によっては、下地まで取り替えるなどの配慮が必要な場合がある。

参考文献

書名[該当箇所](監修) 編著者 発行所
1 木造住宅工事仕様書 2023年版[p220参考図8.12] (独)住宅金融支援機構 (株)井上書院
2 インテリア大事典[p573] インテリア大事典編集委員会 壁装材料協会