補修方法編

外壁のひび割れ・欠損 モルタル塗替え G-2-102
木軸
工事概要

既存のモルタル層を取り除き、新たにモルタル塗りを行う。


モルタル塗替えの概要図(chord作成)
対応する不具合と原因 不具合
  • 外壁の傾斜
  • 外壁のひび割れ、欠損
原因
  • 仕上材等の選択不良、品質不良、施工不良
適用条件 -
工事手順の例
1.足場の設置
①
該当部分に足場を設置し、足場設置後、除去時に発生する粉塵や仕上塗材等が隣地に飛ばないようにその外回りに防塵シートを張る。
2.外壁の状況確認
①
外壁の施工状況(モルタルの付着度および浮きの範囲)を打診棒等を利用して確認する。
3.モルタル層の撤去
以下の方法によりモルタルを撤去し、下地材を露出させる。
①
外壁に取り付いている雨どい、水切り、笠木等、外壁面に付属しているものを一時撤去する。
②
除去する壁の範囲の外周部にカッターで切込みを入れる。
③
ノミやハンマーなどを利用してモルタルをはがす。(はつり落とし)
④
ラス及び防水紙をはがす。
03_木補-軸03_G-2-102_5_3_図.jpg
モルタルの撤去(chord作成)
4.防水紙の施工
①
下地板の上に防水紙(アスファルトフェルト430、改質アスファルトフェルト又は同等以上の性能を有する防水紙)を張る。(参考1(1))
注)
  1. 土台水切が設置されていない場合は、防水紙の施工前に土台水切を設置する。
  2. 防水紙は、継目を縦、横とも90mm程度以上重ね合わせる。留付けはステープルを用い、継ぎ目部分は約300mm程度の間隔に、その他の箇所は要所を固定し、たるみ、しわのないように極力平滑に張る。(参考1(1))
5.モルタル塗り 以下の方法によりモルタル塗りをする。
①
ラス下地を施工する。
注)
  1. ラスは、防錆処理をした波形ラスW700とし、継目は縦、横とも30㎜程度以上重ね継ぐ。ラスの留めつけは、ステープル(L1019Jまたは同等以上)で100㎜以内に、ラスの浮き上がり、たるみのないように下地に千鳥に打ち留める。(参考1(1)(2))(※1)
  2. 出隅および入隅等の継目部分は、突付けとし、200mm程度幅のラス(平ラスF450以上)を中央から90°に曲げ、上から張り重ねる。(参考1(2))
  3. 開口部には200㎜×100㎜程度のラス(平ラスF450以上)を各コーナーにできる限り近づけて斜めに二重張りとする。(参考1(2))
  4. ラスは開口隅角部以外の位置で継ぐ。

03_木補-軸03_G-2-102_5_5_図上.jpg

※図は防水紙横張りの例、縦張りの場合もある。

波形ラス(メタルラス)張り工法の例(引用1(3))


ラスの隅部補強張りの例(引用2(1))


03_木補-軸03_G-2-102_5_5_図下.jpg出隅壁コーナー部分の例(引用2(1)一部修正)

②
モルタル下塗りをする(富調合のモルタル)。このときラスになじむように金ごてで十分押さえておき、次の工程の付着性をよくするため荒し目をつけ(参考1(4))水分がなくなるまで乾燥させる。
③
モルタル中塗りし、金ごてで押さえ、次工程の付着性をよくするため定規ずり(参考1(4))をし水分がなくなるまで乾燥させる。
④
モルタル上塗りし、仕上げの種類によって金ごて押さえ、木ごて押さえ又ははけ引き(参考3(1))として、水分がなくなるまで乾燥させる。
⑤
既調合軽量セメントモルタルの場合は、製造業者等の仕様による。
6.確認
①
モルタル塗り後、十分に乾燥させ、収縮ひび割れを起こさせたうえで、補修を行い、仕上塗材仕上げ等の条件が整っていることを確認する。(※2)


03_木補-軸03_G-2-102_5_6_図.jpg
下地及び仕上げの例(chord作成)
7.仕上塗材仕上げ
①
仕上塗材(薄付け仕上塗材、複層仕上塗材等)による表面仕上げを行う。
8.外壁に付属していた部材の取り付け
①
雨どい、水切り、笠木等、外壁面に付属している部材を再度取り付ける。
9.足場の撤去
①
防塵シートを取り外し、足場の撤去を行う。
10.最終確認
①
工事の仕上がりを確認する。
②
片付け、清掃。
hosoku 補足
(※1) ステープルの足が下地材の裏面へ貫通することにより漏電事故を起こさぬよう、裏面に電線やガス管等が無いか確認を要する。(参考4(1))
(※2)仕上塗材施工条件
1.含水率10%以下
2.pH 10以下
一般に含水率の測定方法には水分計、pH(水素イオン濃度)の測定には、pH指示薬溶液、pH試験紙、万能指示薬(ユニバーサルインジケーター)、pHコンパレーター等が用いられている。
備考
―



参考文献

№ 書名[該当箇所] 編著者 発行所
1 木造住宅工事仕様書 2025年版[(1)p232,(2)p233,(3)p235参考図9.2.3,(4)p237(9.3.4)]] (独)住宅金融支援機構 (株)井上書院
2 まもりすまい保険設計施工基準・同解説(2025年版)(第1版)[(1)p64参考図11-2,参考図11-3] 住宅瑕疵担保責任保険法人 住宅保証機構(株) 住宅瑕疵担保責任保険法人 住宅保証機構(株)
3 建築工事標準仕様書・同解説 JASS15 左官工事(2019)[(1)p45]

(一社)日本建築学会

(一社)日本建築学会

4 建築工事標準仕様書・同解説 JASS15 左官工事(2007)[(1)p151] (社)日本建築学会 (社)日本建築学会

kanren関連文献
書名 編著者 発行所
木造住宅工事仕様書 2025年版[p232~238] (独)住宅金融支援機構 (株)井上書院
建築工事標準仕様書・同解説 JASS15 左官工事(2019)[p44~45,p146(5,6節)] (一社)日本建築学会 (一社)日本建築学会