補修方法編

床鳴り 床鳴りの補修 F-3-202
木枠
工事概要

床鳴りに対して床仕上材(フローリング)の表面からビス留めし、補修剤で穴埋めする工法である。



概要図(chord作成)
対応する不具合と原因 不具合
  • 床の傾斜(F-1)
  • 床鳴り(F-3)
  • 床振動(V-1)
原因
  • 仕上材等の接合・留付不良
適用条件
  • 床暖房等がフローリングの下にないこと。
  • 補修箇所が表面に現れない場合または美観上の問題が生じないと考えられる場合に限り適用する。
工事手順の例
1.事前調査
現場調査により適用条件を満たしていることを確認する。
床面を踏みしめて、ギシギシ音のする範囲を確認する。
床下の目視または施工者からの聞き取りにより捨張りの有無、床根太サイズ、床根太方向を確認する。
探知機等を利用して、床根太位置を確認する。
繰り返し踏みしめて、音のする床根太を特定する。
  • 床根太から音がする場合は、釘または釘が原因と考えられる。
  • 音のする範囲は数10㎝程度四方に及ぶこともある。

浮きの状態の例(chord作成)
2.木ビスの留付
音のする釘を推定し、その近傍の本実部付近をドリルにて座彫りする。(9Φ×2~3㎜)
木ビス(45半ネジ)にて座彫り部分に留め付ける。
踏みしめて、音の有無を確認する。
音が改善されない場合、釘を想定し同じ床根太上で、位置を変えて①から③と同様にする。

補修後の例(chord作成)
以上で改善されない場合は、釘が原因と考えられるため、床下(または天井裏)から、大引き(または頭つなぎ)と床根太を木ビスにて留め付ける。(75半ネジ)
3.補修剤の充填
ギシギシ音が無くなったことを確認する。
補修剤を調色し、座堀りした所を全て充填するかまたは木栓を埋木する等して、平滑に仕上げる。
付属のワックス等を塗布し、周囲となじませる。
4.最終確認
仕上り具合および床鳴りがないことを確認する。
片付け・清掃を行う。
備考 施工上の注意点
  • 補修箇所が目立たない箇所にある場合(例えば敷居で隠れる等)は居住に支障がなく、容易に補修が可能な方法である。
  • 防音室等の浮床工法の場合には、仕様を十分調査したうえで床の留付け方法等を決める必要がある。
  • 床鳴りは、束の浮き、束の不足等がある場合にも発生することがある。床鳴りの補修は、事前調査で床鳴りの原因がフローリング、床下張材又は床根太の留め付けによるものか、束の浮き、束の不足等によるものか見分ける必要がある。束の浮きによる床鳴りの補修は束の長さ調整・固定等による処置、束の不足による場合は束の追加などにより適切な補修を行う。
  • 床仕上材(フローリング)の表からビス留めする方法の他、フローリングの留め付けについてはフローリング表面から小穴をあけ接着剤を注入して固定する方法がある。
  • 床鳴りの補修をした結果、他の部分での床鳴りの発生、継ぎ目部分の突き上げなどの二次的不具合が生じることのないよう、原因の把握、適切な補修方法の選択をする。

参考文献

書名[該当箇所](監修) 編著者 発行所