補修方法編

結露 壁防湿層の再施工 W-3-503
木軸・木枠
工事概要

防湿層の重ね代を十分に確保する。


平面図(chord作成)


断面図(引用:参考文献1 一部加筆)
(軸組工法)

平面図(引用:参考文献2 一部加筆)
※防湿フィルムは、下地材のあるところで30mm以上重ね合わせる。(引用:参考文献1)


断面図(引用:参考文献2 一部加筆)
(枠組壁工法)
対応する不具合と原因 不具合
  • 結露(W-3)
    <壁結露による汚れ、カビ、しみ>
原因
  • 断熱材の使用、設置箇所不良、施工不良
  • 施工中の養生不足
適用条件
  • 防湿フィルムが断熱材と一体でない場合に適用する。
工事手順の例
1.事前調査
当事者からのヒアリングや現場の原因調査により、防湿層の状況を確認する。
2.(必要な範囲の)内装材の撤去
必要に応じて足場を設置し、養生を行う。
結露している範囲が限定されている場合は、防湿層のみの重ね張りとし、シート単位でしみが広がっていると予想される場合等は、断熱材も併せて交換する。
→内装材を撤去する範囲を確認しておく。
3.防湿フィルムの施工
湿気を取り除いた後、十分に乾燥させる。
  • 周囲の下地材等も十分に乾燥していることを確認する。
室内側に防湿フィルムを所定の重ね代をとって施工する。
  • 防湿フィルムは、電気配線や設備配管等により破れないように注意して施工する。万一、防湿フィルムが破れた場合は、気密テープで補強する。
  • 重ね代は、下地材のあるところで30mm以上とする。(引用:参考文献1、2)
4.内装仕上げ
5.片付け、清掃
足場、養生等を撤去のうえ、片付け・清掃を行う。
備考
  • 平13国交告第1347号(最終改正 令4国交告第1108号)において、JIS A9521(建築用断熱材)に規定する発泡プラスチック断熱材、JIS A9526(建築物断熱用吹付け硬質ウレタンフォーム)に規定する吹付け硬質ウレタンフォームA種1(1及び1H)若しくはA種2(2及び2H)に適合するもの又はこれらと同等以上の透湿抵抗を有するプラスチック系断熱材で、気密補助材を用い有効にすき間を封じているものを用いる場合は、防湿層の設置を必要としないとされている。また、「コンクリート躯体又は土塗壁の外側に断熱層がある場合」、「床断熱において断熱材下側が床下に露出する場合又は湿気の排出を妨げない構成となっている場合」、「断熱層が単一の材料で均質に施工される場合で透湿抵抗比が地域区分による規定の値以上である場合」等においても、当該部位の防湿層の設置を省略することができる。(参考:参考文献5)

参考文献

書名[該当箇所](監修) 編著者 発行所
1 木造住宅工事仕様書 2023年版[p168,p187参考図7-1.5.4(C)(c) 一部加筆] (独)住宅金融支援機構 (株)井上書院
2 枠組壁工法住宅工事仕様書 2023年版[p205参考図9-1.5.3-1(A) 一部加筆,p207参考図9-1.5.4(C) 一部加筆] (独)住宅金融支援機構 (株)井上書院
3 住宅の平成25年省エネルギー基準の解説[p329~330,p338~339] 住宅の平成25年省エネルギー基準の解説編集委員会 (一財)建築環境・省エネルギー機構
4 建築工事標準仕様書・同解説 JASS24 断熱工事(2013)[p113~121 5.2工法一般] (一社)日本建築学会 (一社) 日本建築学会
5 住宅性能表示制度 日本住宅性能表示基準・評価方法基準 技術解説(新築住宅)2022[p312~322](国土交通省住宅局住宅生産課/国土交通省国土技術政策総合研究所/国立研究開発法人建築研究所) (一財)日本建築センター 工学図書(株)