補修方法編

勾配屋根の変形 たる木の添え木補強(たる木方式)① R-1-202
木枠
工事概要

たわんだたる木を小屋裏から添え木により、補強する。

対応する不具合と原因 不具合
  • 屋根の変形、はがれ、浮き(R-1)
原因
  • たる木の断面寸法の不良
  • たる木のねじれ、くるい
適用条件


たる木の添え木補強の例(chord作成)
工事手順の例
1.事前調査
現場調査により、補強するたる木のたわみ等の状況および資材搬入に適した天井取り除き部分を確認する。
2.足場の設置
補強するたる木の直下の周囲に足場を設置する。
  • 足場の設置等により床を傷つけないよう、シート、コンパネ等による保護・養生を行う。
3.天井の取り外し
資材搬入、屋起こし作業上必要な開口部を確保するため、当該箇所の直下の天井の一部(断熱材含む)を取り外す。
4.たる木のジャッキアップ
振れ止め、ころび止めを取り外す。
直下の床に角材等を用いて、ジャッキ等を2箇所に設置する。
たわんだたるき下にあて木を設置し、あて木の両端とジャッキ等の間に仮柱を設置する。
たる木を適正な位置までジャッキ等で持ち上げて、仮に固定する。
  • たる木つなぎを外さなければ適正位置の調整が困難な場合はそれを外して調整の上、再施工する。

たる木のジャッキアップ施工例(chord作成)
5.たる木の添え木補強
たる木つなぎ(間隔は設定による)の固定されていない面に添えたる木を施工する。
  • 添え木には継手を設けず、添え木の支点も確保する。
  • 添え木の釘打ちは、CN90を両端部2本、中間部200mm間隔以内に千鳥に平打ちする。
屋根仕上材の不陸、浮き等が無いことを確認する。
6.天井の復旧
ジャッキ等で持ち上げていた仮柱を少しずつ下げながら、たる木のたわみが修正されているのを確認して仮柱を取り外す。
振れ止め、ころび止めを取り付ける。
取り外した天井を再施工する。
7.最終確認
工事全体の仕上がりを確認する。
足場、養生シート等を撤去する。
片付け・清掃を行う。
備考

参考文献

書名[該当箇所](監修) 編著者 発行所
1 枠組壁工法住宅工事仕様書 2023年版[p127(4.12)] (独)住宅金融支援機構 (株)井上書院