補修方法編

外壁のひび割れ・欠損 モルタル充填工法(外壁部) G-2-503
木軸・木枠
工事概要

モルタル層のはがれ、剥落が発生している比較的大きな欠損部を対象に、モルタルまたはポリマーセメントモルタル等を充填する工法。


モルタル充填工法の例
(引用:参考文献1)
対応する不具合と原因 不具合
  • 外壁のひび割れ・欠損(G-2)
原因
  • 仕上材等の品質不良、施工不良
適用条件
  • 欠損の原因が、構造耐力上の問題によらない場合に適用する。
  • 欠損の原因が、構造耐力上の問題による場合は、補修工事の実施によりその問題が取り除かれていることが専門家の調査等により確認された場合に適用可能な方法である。
  • 補修により、美観上の問題が生じないことが確認された場合に限り適用可能な方法である。
工事手順の例
1.足場の設置
該当部分に足場を設置し、足場設置後、除去時に発生する粉塵や仕上塗材等が隣地に飛ばないようにその外回りに防塵シートを張る。
2.外壁の状況確認
欠損の状況、モルタルの付着度及び浮きの状況を確認する。
3.既存塗膜の除去 以下の方法により既存塗膜の除去を行う。
雨樋、水切り、笠木等、外壁面に付属しているものがある場合は、一時撤去する。
コケや水あか等の汚れが発生している場合には、高圧水洗浄等により付着した汚れ等の除去を行う。
既存塗膜をサンダー、皮すき(ヘラ状のもの)等で除去。
4.欠損部分等の補修
ひび割れ・欠損部分にモルタルまたはポリマーセメントモルタル等を注入する。(充填工法を適用)
  • モルタルの浮きを伴う場合は、当該部分およびその周辺部を除去し、モルタルまたはポリマーセメントモルタル等を注入する。モルタルが剥離している場合は、剥離した表面にモルタルまたはポリマーセメントモルタル等を充填する。
5.充填部分等の確認
充填材の仕上り状態及び硬化状態を、目視及び指触により確認する。
6.仕上塗材仕上げ
既存の仕上塗材の色に合わせて出隅部、入隅部等見切りの良い範囲まで仕上塗材による表面仕上げ(薄付け仕上塗材(リシン等)、複層仕上塗材(吹付けタイル等))を行う。
7.外壁に付属していた部材の取り付け
雨どい、水切り、笠木等、外壁面に付属している部材を再度取り付ける。
8.足場の撤去
防塵シートを取り外し、足場の撤去を行う。
9.最終確認
工事の仕上がりを確認する。
片付け、清掃。
<モルタル剥離部分>剥離した部分の表面に、モルタルまたはポリマーセメントモルタル等を充填する。
工事手順の概要図(chord作成)
備考

参考文献

書名[該当箇所](監修) 編著者 発行所
1 打放しコンクリート外壁の補修・改修技術[p117]
(建設大臣官房技術調査室)
外装仕上げおよび防水の補修・
改修技術出版企画編集委員会
(財)日本建築センター
(財)建築保全センター
(財)日本建築センター
(財)建築保全センター