1.陸屋根の防水の考え方屋根は、防火性能及び荷重や外力を下部構造に伝達する等の観点があるが、雨水や日照、日射等の外部環境と建物内部を遮断するための防水性、断熱性等が要求される。陸屋根の場合は、屋根面に設備機器を設置したり、植込み又は庭園として利用されることがあり、防水・断熱以外の性能が要求されるため、利用目的に応じた防水工法が選択される。また、勾配が緩やかなため、水を溜めることなく速やかに排水させる設計が求められる。 2.防水工法の分類 |
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防水層の種類(注)(引用2)(参考4)(参考5)
「転載の承諾を得られなかった箇所に網掛けをしております。」
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屋根の内断熱と外断熱の違い(引用3) |
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<参考資料> 防水層の保護層・仕上げ層と適用部位・用途(引用5) 「転載の承諾を得られなかった箇所に網掛けをしております。」 [補記]JASS8-2022の改定により、防水工事の区分、防水層の種類が見直された。 上記の表は第8版第2刷より引用。 |
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「転載の承諾を得られなかった箇所に網掛けをしております。」 パラペットの構造(例)(引用6)
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「転載の承諾を得られなかった箇所に網掛けをしております。」 パラペットの下地の形状・寸法(例)(引用7)
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3.陸屋根からの漏水の発生しやすい箇所陸屋根からの漏水の場合、その浸入経路を特定することは容易でない。これは、室内側の天井面の漏水によるしみ等が発生している位置から屋外側の防水層の不具合箇所を単純に推定することが難しいためである。 しかし、一般的な建物の場合、陸屋根面(防水層の平面部分)から漏水する場合は比較的少なく、以下のような防水箇所の端部等から漏水する場合が多い。
漏水発生箇所と雨水浸入箇所が異なる場合の一例(chord作成) |
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4.各防水工法の概要4-1.アスファルト防水の概要(1)アスファルト防水工法の分類と特性アスファルト防水は、アスファルトルーフィングフェルト類又は改質アスファルトシート類を溶融アスファルトで交互に積層して施工する防水工法である。
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絶縁仕様の例示(引用10)
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「転載の承諾を得られなかった箇所に網掛けをしております。」 アスファルト防水(密着保護防水仕様)の例示(引用12)
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「転載の承諾を得られなかった箇所に網掛けをしております。」 アスファルト防水(絶縁露出防水仕様)の例示(引用13)
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4-2.改質アスファルトシート防水の概要
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(1)改質アスファルトシート防水工法の分類と特性改質アスファルトシート防水は、アスファルトにスチレン・ブタジエン・スチレン(熱可塑性ゴムの一種:通常SBS系と略す)やアタクチックポリプロピレン(非結晶性ポリプロピレン:通常APP系と略す)を添加し、アスファルトの性質を改良した改質アスファルトルーフィングシート(JIS A6013)を下地に張り付ける工法をいう。ここでは、トーチバーナーを用いた「トーチ工法」と「常温粘着工法」を対象とする。
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「転載の承諾を得られなかった箇所に網掛けをしております。」 改質アスファルト防水(密着保護防水仕様・常温粘着工法)の例示(引用16)
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「転載の承諾を得られなかった箇所に網掛けをしております。」 改質アスファルト防水(密着露出防水仕様・トーチ工法)の例示(引用17)
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「転載の承諾を得られなかった箇所に網掛けをしております。」 改質アスファルト防水(絶縁露出防水仕様・常温粘着工法)の例示(引用18)
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「転載の承諾を得られなかった箇所に網掛けをしております。」 改質アスファルト防水(断熱露出防水仕様・トーチ工法)の例示(引用19)
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「転載の承諾を得られなかった箇所に網掛けをしております。」 改質アスファルト防水(断熱露出防水仕様・常温粘着工法)の例示(引用20)
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4-3.シート防水の概要
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シート防水は、合成高分子系ルーフィングシート(JIS A 6008)を接着剤又は固定金具を用いて下地に張付ける防水工法である。ここでは主に鉄筋コンクリート造の住宅のシート防水を対象とする。 ルーフィングシートは合成ゴム又は合成樹脂を主原料としており、耐候性が優れているので、露出防水に適用できる。 シート防水は、アスファルト防水に比べ施工時に火を使わないことや施工が簡単、工期が短いなどの特徴がある。 また、下地へプライマー、接着剤などを用いてシートを接着する工法(接着工法)と下地へ固定金具を用いて機械的にシートを固定する工法(機械的固定工法)に分類される。(参考16) (1)合成高分子系ルーフィングシートの種類(引用21)
(2)主なシート防水工法の分類と特性
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「転載の承諾を得られなかった箇所に網掛けをしております。」 |
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「転載の承諾を得られなかった箇所に網掛けをしております。」 シート防水(接着防水仕様)の例示(引用23)
「転載の承諾を得られなかった箇所に網掛けをしております。」 シート防水(断熱接着防水仕様)の例示(引用23)
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「転載の承諾を得られなかった箇所に網掛けをしております。」 シート防水(機械的固定仕様)の例示(引用24)
「転載の承諾を得られなかった箇所に網掛けをしております。」 シート防水(断熱機械的固定仕様)の例示(引用24)
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4-4.塗膜防水の概要
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塗膜防水層の種別は、JASS8に示される標準仕様から、防水材料の違いにより、ウレタンゴム系防水層、アクリルゴム系防水層、ゴムアスファルト系防水層、及びFRP防水層の4種類に大別できる。(参考17)ここでは、屋根防水において実績の多い「ウレタンゴム系塗膜防水層(以下、「ウレタン塗膜防水」という)」を対象とする。
(1)ウレタン塗膜防水の種類ウレタン塗膜防水は、建築用塗膜防水材(JIS A 6021:2022)に適合するウレタンゴム系塗膜防水材(以下、「ウレタン塗膜防水材」という)をコテ又は吹付け機器を用いて下地に塗付ける防水工法をいう。ウレタン塗膜防水材は、JISにより高伸長形と高強度形に区分される。 また、JISの製品形態による区分は、1成分形と2成分形による分類となっている。 1成分形は、あらかじめ施工に供する状態に調製したもので、湿気硬化型であり、空気中の水分を利用して常温下で硬化反応して、ゴム弾性のある塗膜を形成する。 2成分形は、主剤・硬化剤の2成分に、必要によって硬化促進剤・充填剤・着色剤・希釈剤などを混合・塗布した後、常温下で硬化反応してゴム弾性のある塗膜を形成する材料である。主剤と硬化剤を用いる場合の混合比は、1対1、1対2などがあり、主剤の一定量と反応する硬化剤の量が決まっている。 また、2成分形の一種であるが、超速硬化ウレタン専用吹付け機を使用し、短時間でゴム弾性のある塗膜を形成して次の工程に移ることができる材料がある。 なお、塗膜防水は、防水層の美観保持と保護ならびに歩行を目的とした仕上塗料の塗布を行うものである。(参考18) (2)主なウレタン塗膜防水工法の分類と特性
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「転載の承諾を得られなかった箇所に網掛けをしております。」 ウレタン塗膜防水(密着仕様)の例示(引用25一部加筆)
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「転載の承諾を得られなかった箇所に網掛けをしております。」 ウレタン塗膜防水(絶縁仕様)の例示(引用26)
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5.防水層からの漏水の発生原因
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<参考資料:ヒアリングシートの例>(引用27)
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1.漏水発生部位の確認(1)調査方法
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<屋上に設置された設備機器等の周辺>
<屋上出入口枠、トップライト部分>
③ドレン等排水部分
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(2)注意事項等
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1.防水層の設計内容の確認
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(1)調査方法
(2)注意事項等
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1.書類による確認
(1)調査方法
(2)注意事項等
2.目視等による施工状況の確認
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(1)調査方法
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「4 使用・メンテナンス状況の確認」によるほか、以下の確認を行う。
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1.使用状況等の確認(1)調査方法
(2)注意事項等
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