補修方法編

降雨による漏水 パラペットの水切り設置、防水層立上り部の再施工
(シート防水)
W-1-314
RC造
工事概要

金属製笠木による水切り設置、立上りコンクリートのあご下端への水切り金物設置、又は防水層の再施工した上で、防水立上り端部に押え金物とシーリング材を施工する。


06_RC補-08_W-1-314_2_図2020.jpg防水層末端部の納まり不良の例
(chord作成)
対応する不具合と原因 不具合
  • 降雨による漏水(W-1)
原因
  • 関連部位の防水処理不良
  • パラペットあご下端の水切り不良
  • 防水層端部の納まり不良
適用条件
  • あごの出寸法が100mm以上ある場合は、水切り金物を設置する。
  • 100mm以下の場合は、パラペット天端に金属製笠木をかぶせる。
  • 水切り目地を設ける場合、当該部分はRC造W-1-303に準じる。
工事手順の例
1.事前調査
当事者からのヒアリングや現場での原因調査により、適用条件を満たしていることを確認する。
2.水切り金物の設置又は金属製笠木の取付け
あご下端に水切り金物を設置する。(※1)
金属製笠木の場合は、笠木の下りをあごの下端より10mm以上出すこと。
防水層が破損している場合は不具合部分を撤去し、その上から新たに防水層を増張りする。
3.防水端部のシーリング施工
防水端部の押え金物等を再調整し、シーリング材を打ち直す。
  • 端部のシーリングは、隅部で途切れる部分まで打ち替えることが望ましい。

06_RC補-08_W-1-314_5_3_図.jpg防水層立上り末端部の処理の例(chord作成)
4.最終確認
降雨時に浸水のないことを確認する。
備考
  • 工事に伴う騒音(ドリル使用時)、臭気、振動、粉塵、降雨時における漏水等が問題になる可能性があるため、工事の実施にあたっては、居住者に工事内容を十分に説明し、合意を得ることが重要である。
(※1)水切り金物を設置するあご下端と屋根面との距離が十分確保できず、アンカープラグを取り付けるための作業が困難な場合は、あごの正面の下部に水切り金物を設置する方法もある。

参考文献

書名[該当箇所](監修) 編著者 発行所
1 「建築工事標準仕様書・同解説JASS8 防水工事」(2022) (一社)日本建築学会 (一社)日本建築学会